Als治療に光!Ips創薬の現在地と2026年最新治験を徹底解説
もう一つの強力な柱が、慶應義塾大学医学部の岡野栄之教授らの研究グループが手掛ける「ロピニロール塩酸塩(Ropinirole)」です。パーキンソン病の治療薬として広く処方されているドパミン受容体作動薬ですが、iPS細胞スクリーニングにより、ALSの運動ニューロン死を強力に防ぐ作用が見出されました。
慶應大学を中心とした臨床試験(ROPINIR-ALS治験)では、ロピニロール投与群がプラセボ(偽薬)群と比較して、病気の進行が約半年にわたって遅延したことが報告されています。さらに、一部の症例では筋力低下のペースが劇的に鈍化し、日常生活動作(ADL)の自立期間が有意に延長する結果が示されました。
患者由来iPS細胞から作製した運動ニューロンの遺伝子発現プロファイルと、実際の投薬による臨床効果が精密にリンクしている点も学術的に高く評価されています。投薬前に「その患者に効くかどうか」を試験管内で予測する診断モデルの開発も並行して進んでおり、無駄な投薬を避け、最適な治療を迅速に届ける仕組み作りが加速しています。