黄緑で泡立つ異変はなぜ?トリコモナスおりものの特徴と対処法を徹底解説

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下着やトイレットペーパーに付着した分泌物が明らかに普段と異なる色や形状を示したとき、体内では何が起きているのでしょうか。トリコモナスのおりものが黄緑色を帯び、かつ泡立つおりものへと変貌を遂げる背景には、病原体である「膣トリコモナス原虫(Trichomonas vaginalis)」の生体活動が深く関わっています。

トリコモナス原虫は、4本の自由鞭毛と1本の後曳鞭毛を持つ微小な単細胞寄生虫です。膣内に侵入した原虫は、膣粘膜の表面を覆う上皮細胞に張り付き、細胞を破壊しながら増殖を繰り返します。このとき、生体防御反応として大量の好中球(白血球の一種)が病巣に集結します。原虫と免疫細胞が激しくせめぎ合う過程で、破壊された白血球や剥離した細胞片が膿(うみ)となって分泌液に混入します。これが、おりものを黄色や黄緑色、時には濁った灰色に変色させる科学的根拠です。

さらに異様なのが、分泌液に細かな泡が混じる現象です。トリコモナス原虫は酸素を嫌う嫌気性環境を好む生物であり、代謝活動の副産物として炭酸ガスや水素ガスを産生します。原虫が大量に増殖すると、膣内の分泌液にこのガスが巻き込まれ、まるで石鹸水を泡立てたかのような泡沫状のおりものが形成されます。

そして患者を最も精神的に追い詰めるのが、トリコモナスによるおりものの悪臭です。多くの患者が「魚が腐ったような生臭さ」「ツンと鼻を突く腐敗臭」と表現するこの臭気は、原虫の増殖に伴って膣内の正常な自浄作用(デーデルライン桿菌による乳酸環境)が崩壊し、アミン類(カダベリンやプトレシンなど)と呼ばれる悪臭物質が大量に生成されることで発生します。性感染症でおりものに異常が生じる理由の多くは病原体による組織障害ですが、トリコモナスの場合は「原虫のガス産生」と「アミン臭の発生」が組み合わさることで、他の疾患にはない決定的な異変として表面化するのです。

池田 達也

池田 達也

マネー&キャリアエディター

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。