没後17年、今なお響く旋律の謎――加藤和彦が最期に遺した言葉と、現代に問いかける「美の限界」
2009年10月17日、長野県軽井沢町のホテルで、加藤和彦は首をつった状態で発見された。享年62。あまりにも突然の訃報は、音楽界のみならず日本中に激震を走らせた。フォーク・クルセダーズでのデビューから始まり、サディスティック・ミカ・バンドでの世界進出、そして数々のヒット曲のプロデュース。常に時代の最先端を走り、ファッショナブルで優雅な生活を送っていると見られていた彼の死は、誰にとっても信じがたい現実だった。
警察の捜査により、部屋からは数通の遺書が見つかった。そこには、親しい友人や関係者、そしてファンに向けたメッセージが記されていた。彼が最期に選んだ場所が、かつて多くの名曲を着想したであろう静謐な避暑地・軽井沢であったことも、彼の美意識の表れだったのかもしれない。