させていただくは失礼?文化庁の指針とスマートな言い換え全技術
「させていただく」の乱用に歯止めをかける基準として、敬語の指針 文化審議会(2007年答申)が定めた公的見解が存在します。文化庁が示す指針において、この表現が適切とされるには明確な2つの基本条件を同時に満たす必要があります。
指針に示された条件は以下の通りです。
- 条件1【相手の許可】:相手側または第三者の許可を得て(または得ようとして)行う行為であること。
- 条件2【自らの恩恵】:その行為を行うことによって、自分が恩恵・利益を受けるという事実または気持ちがあること。
この2条件に照らし合わせると、多くのビジネス表現における適否が明白になります。例えば、面接の日程を変更してもらう際に「日程を変更させていただきます」と述べるのは、相手の許可を前提とし、自身が都合をつけてもらう恩恵があるため適切です。一方で、単に自社の新製品を紹介するメールで「新商品をご案内させていただきます」とするのは、相手から案内する許可を得ていない限り、ご案内させていただきます 誤用の典型例となります。
ここで多くの人が悩むのが、「休ませていただきます 正しい敬語なのか?」という疑問です。有給休暇の取得は労働者の権利ですが、業務の引き継ぎや相手の都合に配慮する文脈においては「会社や取引先の配慮(許可)のもとで恩恵を受ける」構図が成立するため、敬語の指針上も間違いではありません。ただし、社内チャットなどで機械的に連絡する場合は「休暇を取得いたします」「休みをいただきます」とする方が、押し付けがましさがなく簡潔です。