内視鏡洗浄の完全手順と基準|感染を防ぐ必須ポイントを徹底解説
内視鏡の洗浄・消毒プロセスは、どれか一つのステップが欠けても成立しません。現場で確実に実行すべき洗浄手順マニュアルの標準フローは、以下の5段階に大別されます。
1. ベッドサイド洗浄(予備洗浄の即時実施)
検査終了直後、スコープを患者から抜去した瞬間に開始します。スコープ外面に付着した粘液や血液を専用クロス(またはガーゼ)と酵素洗浄液で速やかに拭き取ります。その後、洗浄液をチャンネル内に数秒間吸引し、続けて空気を吸引して管路内の残留物を排出させます。このベッドサイド洗浄を検査直後(30秒以内)に行うかどうかが、有機物の固着を防ぐ最大の分岐点となります。
2. リークテスト手順(漏出検査による破損確認)
洗浄シンクへ運搬後、薬液へ浸漬する前に必ずリークテスト手順を実施します。内部構造にピンホールや裂傷などの微小な破損がないかを加圧計や目視で点検します。浸水事故を防ぐだけでなく、内部に侵入した体液が原因となる二次感染や高額な修理費用を未然に回避するための必須工程です。
3. 用手洗浄とチャンネルブラッシング
酵素洗浄剤を希釈した水槽内でスコープ全体を浸漬し、外面をスポンジで丁寧に洗浄します。続いて、スコープの管路径に適した専用のチャンネル洗浄ブラシを用い、鉗子チャンネルや吸引チャンネルを繰り返しブラッシングします。ブラシ先端に汚れが付着しなくなるまで、最低でも規定回数(通常3回以上)ブラッシングを貫通させることが求められます。取り外し可能な各種バルブや開口部も分解し、超音波洗浄器を併用して細部まで汚れを除去します。
4. 内視鏡自動洗浄消毒機(AER)による高水準消毒
入念な用手洗浄を終えたスコープを内視鏡自動洗浄消毒機に正しくセットします。各チャンネルに専用コネクタを確実に接続し、管路の閉塞や外れがないことを確認します。装置内で高水準消毒薬(過酢酸やフタラールなど)が循環し、所定の温度と時間で消毒が実行されます。
5. すすぎ・アルコールフラッシュ・完全乾燥と保管
消毒完了後は、残留薬剤を滅菌水またはフィルター濾過水で完全にすすぎます。その後、70〜80%エタノールを用いたアルコールフラッシュを実施し、医療用エアガンで管路内の水分を徹底的に吹き飛ばします。保管時は、通気性の良い専用キャビネットにスコープを垂直に吊るし、再汚染と湿気による細菌増殖を遮断します。