痛風の時にやってはいけないこと7選|温める・揉む危険と正しい対処法
深夜や休日に発作が起き、耐えがたい激痛から逃れるために薬箱の市販薬へ手を伸ばす際、最も慎重にならなければならないのが有効成分の違いです。
痛風の鎮痛薬として一般的に適しているのは、ロキソプロフェン(ロキソニンSなど)やイブプロフェンに代表される非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)です。これらは炎症の元となるプロスタグランジンの生成を強力に抑制し、急性期の腫れと痛みを沈静化させます。
一方で、絶対に避けるべきなのがアセチルサリチル酸(アスピリン)を含有する解熱鎮痛薬(一般的なバファリンなど)です。低〜中用量のアスピリンは腎臓における尿酸排泄トランスポーター(URAT1等)の働きを阻害し、尿酸の排泄を低下させて血中尿酸値を急上昇させます。痛風発作中に尿酸値が急激に変動すると、関節内の結晶構造が不安定化し、炎症が長期化・重篤化することが医学的に実証されています。
さらに危険なのが、アロプリノールやフェブキソスタットといった「尿酸降下薬」の誤用です。健康診断などで高尿酸血症を指摘され、手元に薬を持っていたとしても、痛風発作の最中に尿酸降下薬を新たに飲み始めてはいけません。急激に血清尿酸値が低下すると、関節軟骨に沈着していた尿酸結晶の表面が剥離し、それを異物と認識した白血球がさらに激しい攻撃を開始する「尿酸降下時発作」を引き起こします。ただし、普段から継続して尿酸降下薬を服用している人が発作を起こした場合は、自己判断で服用を中止するとかえって血中濃度の乱高下を招くため、主治医の指示通り同量を継続するのが治療指針の定石です。
発作の初期症状として患部にムズムズ感やピリピリとした違和感を覚える「前兆期」であれば、白血球の遊走を抑制するコルヒチンの服用が極めて有効です。しかし、すでに本格的な激痛に突入した極期においてはコルヒチンの効果は限定的となり、多量摂取による副作用(下痢や嘔吐などの消化器症状)のリスクが高まるため、服用タイミングの見極めが不可欠です。