大腸がんと痔の違いは?出血の色や便の太さで見分ける初期症状

大腸がんと痔の違いは?出血の色や便の太さで見分ける初期症状に関するポイントを分かりやすくまとめました。最新データをチェックしましょう。

「血が出たけれど痛くないから大丈夫」「鮮やかな赤い血だから痔に違いない」という自己判断は、消化器診療の現場において最も危険視される誤解の一つです。大腸がんと痔を見分けるための着眼点として、血便・出血の色の違い、便の太さ、そして痛みの有無という3つの軸を正しく理解しておく必要があります。

まず出血の色ですが、一般的に切れ痔(裂肛)やいぼ痔(痔核)からの出血は、肛門付近の血管が破れるため鮮紅色(鮮やかな赤い血)となり、排便直後にポタポタと垂れたり、ペーパーに付着したりします。一方、大腸がん(結腸がん・直腸がん)の出血は、出血した部位と便の滞留時間によって表情を変えます。肛門から離れた盲腸や上行結腸などのがんでは、血液が便と混ざり合って酸化するため暗赤色や黒っぽい血(タール便)になりますが、肛門のすぐ手前にある直腸がんでは、痔とまったく同じ鮮やかな鮮血が出ることが珍しくありません。

次に決定的な差異が現れやすいのが「便の太さ」です。大腸がんが進行して内腔が狭まると、便の通り道が圧迫され、鉛筆のように便が細くなる現象が起きます。昨日今日の一時的な軟便ではなく、数週間にわたって細い便が続く、あるいは便が出にくくなって残便感が抜けない場合は、物理的な狭窄が生じている可能性を疑わなければなりません。

さらに見逃せないのが痛みの罠です。「痔=痛い」と思われがちですが、直腸粘膜側にできる内痔核は痛覚がないため「血が出るのに痛くない」という状態が日常的に起こります。同様に、早期の大腸がんも痛みを伴いません。つまり、「痛くない出血」こそ、痔と直腸がんの両方に共通する最大の盲点なのです。

高橋 健太

高橋 健太

ライフスタイル編集者

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。