ハル・ノートとは?日米開戦の決定打となった「衝撃の要求」と真相を徹底解説
ハル・ノートは前文と2つの主要セクションで構成されており、第2項に記された実質的な10項目の要求事項(提案)が日米関係を決定的に破綻させました。その内容を要約すると、日本が過去数十年にわたり築いてきた東アジアでの権益を根本から放棄させる過激なものでした。
公文書の原文記録(外交史料館所蔵文書や極東国際軍事裁判提出資料)に記された主要要求事項は、以下の通りです。
- 中国および仏印からの全面撤兵:日本陸海軍の軍隊・警察力を、中国本土全域およびフランス領インドシナから無条件・即時に完全撤収すること。
- 汪兆銘政権の否認と重慶政権単一支援:日本が樹立を支援した南京の汪兆銘政権を否認し、米英が支援する蒋介石の重慶国民政府のみを正統な中国政府として承認すること。
- 日独伊三国同盟の事実上の破棄:多国間不可侵協定の締結を前提とし、米国が欧州戦線で参戦した場合でも、日本がドイツ・イタリアを軍事援助しないよう三国同盟を空文化・無効化すること。
- 通商協定の再締結と資産凍結の解除:上記条件を受け入れる見返りとして、通商航海条約の再締結や日本の在米凍結資産の解除を行うこと。
原文において「中国(China)」という言葉が満洲(満洲国)を含むのかどうかについて明確な言及がなかったことも、日本側の不信感を決定づけました。日本指導部は「満洲事変(1931年)以前、日露戦争以前の状態に戻れという要求である」と受け止めたのです。