コロナの喉激痛に効く漢方決定版!銀翹散・桔梗湯の選び方と最新処方

コロナの喉激痛に効く漢方決定版!銀翹散・桔梗湯の選び方と最新処方の要点を詳しく解説してご紹介します。

一方で、善意のセルフケアが裏目に出てしまう悲劇も後を絶ちません。最も典型的な過ちが、「風邪の引き始め=葛根湯(かっこんとう)」という刷り込みによる誤用です。老舗の加美漢方薬局なども強く警鐘を鳴らしていますが、喉が激しく痛むコロナ初期に葛根湯を飲むのは逆効果になる恐れがあります。

葛根湯や麻黄湯は、麻黄や桂皮といった体を激しく温めて発汗を促す「辛温解表薬(しんおんげひょうやく)」です。悪寒がひどく喉の痛みがほとんどない初期には有効ですが、すでに喉が真っ赤に腫れ上がり、体内に熱がこもっている温病の状態に温薬を入れると、火に油を注ぐように喉の炎症を加速させてしまいます。「喉が痛む風邪に葛根湯はよくない」というのは漢方の鉄則です。

では、適切なはずの漢方薬を飲んでいるのに喉の痛みに効かない理由には、どのような背景があるのでしょうか。現場取材から浮かび上がる要因は主に3点です。

第1に、飲むタイミングの誤りです。漢方薬は基本的に胃が空っぽの「食前(食事の30分前)」または「食間(食後約2時間)」に服用することで、腸内細菌による生薬成分の代謝・吸収が最大化されます。満腹時に飲むと吸収効率が著しく低下します。また、痛みのピークが来てから慌てて1回飲むだけでは不十分で、1日2〜3回、規則正しく患部へアプローチし続ける必要があります。

第2に、生薬の「証(体質・病態)」のミスマッチです。前述のように、乾燥して咳が出る回復期に桔梗湯を飲み続けたり、熱感が強いピーク時に温性の漢方を飲んだりすれば、生薬本来の薬能は発揮されません。

第3に、炎症レベルがセルフメディケーションの閾値(しきいち)を超えているケースです。咽頭粘膜の腫脹が激しく、急性喉頭蓋炎や扁桃周囲膿瘍を起こしかけているような重症例では、漢方や市販の鎮痛剤だけで抑え込むことは不可能です。医療機関でのステロイド点滴や抗菌薬投与を要する病態に漢方だけで立ち向かおうとすること自体が、根本的な誤りと言えます。

山下 哲也

山下 哲也

自動車・モビリティライター

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。