日本の最南端の島はどこ?沖ノ鳥島と波照間島の違いと現在を解説
東京都心から遥か南へ約1,700km、小笠原諸島の父島からでもさらに約1,000km離れた太平洋のただ中に浮かぶ沖ノ鳥島。行政区画上は「東京都小笠原村沖ノ鳥島」という番地を持っていますが、民間人が旅行や冒険目的で訪れることは法制上・物理上不可能です。
東西約4.5km、南北約1.7kmの広大な環礁ですが、満潮時に海面上に姿を現している自然の陸地部分は「北小島」と「東小島」のわずか2つしかありません。いずれも数メートル四方の小さな露岩に過ぎず、放置すれば太平洋の荒波や風化によって水面下に沈没する危険性に晒されていました。
もしこの島が完全に水没して「干出岩(低潮高地)」と見なされれば、国連海洋法条約(UNCLOS)に基づく日本の排他的経済水域(EEZ)が約40万平方キロメートルも消失することになります。これは日本の国土面積(約38万平方キロメートル)を上回る規模であり、豊富な水産資源や海底に眠るレアメタル、メタンハイドレートといった鉱物資源の管轄権を失う致命的な損失となります。
こうした事態を防ぐため、日本政府は1980年代後半から総額数百億円規模の国家プロジェクトを断行しました。北小島と東小島の周囲に特殊な消波ブロックを同心円状に配置し、直径約50mの頑丈なコンクリート護岸とチタン製メッシュネットで島体を強固に保護しています。さらに人工の観測基盤プラットフォームが整備され、気象観測データや周辺海域の監視を常時行っています。
一部の外国政府からは「沖ノ鳥島は人間の居住または独自の経済的生活を維持できない単なる岩であり、EEZを設定できない」との主張が投げかけられることもあります。しかし、日本政府は一貫して国際法に則った正当な島であるとの立場を堅持しており、護岸の維持管理と周辺インフラの整備を継続しています。