相撲呼出の給料と階級制度の裏側!土俵作りから年収まで徹底解説
多くの大相撲ファンが目にする呼出の姿は、仕切り直しの合間に土俵下から駆け上がり、「ひが〜し〜、〇〇やま〜」と美声を響かせる「呼び上げ」の場面でしょう。しかし、日本相撲協会の業務分掌において、呼び上げは呼出が担う仕事のほんの一角に過ぎません。
呼出のもう一つの極めて重要な任務が、「土俵築き(どひょうづき)」と呼ばれる土俵制作と日々の修繕です。本場所が始まる約1週間前、呼出全員が会場に集結し、約40トンもの粘土質の「荒木田土(あらきだつち)」を切り崩して叩き固め、直径4.55メートルの勝負土俵を一から作り上げます。重い「叩き木(タタキ)」を振り下ろし、ビール瓶の底を使って表面をミリ単位で平滑にならす作業は極めて過酷で、新弟子時代には「手のひらの皮が何度もめくれ、全身が筋肉痛で動かなくなる」と複数の呼出が手記や取材で述懐しています。
本場所中も土俵の管理は呼出の役目です。力士の激しい転落で土俵の角(徳俵周辺)が崩れれば、取組のわずかな合間に土と水を補い、ビール瓶で叩いて瞬時に修繕します。さらに取組ごとの箒(ほうき)がけ、土俵だまりの塩や力水、清めのタオルの補充など、一瞬の隙もないルーティンが繰り返されます。
加えて、大相撲の情緒を象徴する「太鼓」と「拍子木」の演奏・合図も呼出の専任業務です。早朝に鳴り響く「寄せ太鼓」、本場所前日に街中を巡業して初日を告げる「ふれ太鼓」、全取組終了後に打たれる「はね太鼓」など、数種類の撥(ばち)さばきを完全に体得しなければなりません。近年では大手企業のスポンサー名が並ぶ「懸賞旗」を持ち、土俵の周囲を均等な歩幅で回る所作も注目を集めていますが、旗を落としたり足をもつれさせたりすることは許されないため、若手呼出にとっては極度の緊張を強いられる現場となっています。