無限城編で涙腺崩壊!恋雪と猗窩座の悲劇と劇場版の新演出を徹底考察
原作者の吾峠呼世晴が週刊少年ジャンプで紡ぎ出した本作の真骨頂は、悪役に対しても徹底して人間の弱さと悲哀を注ぎ込む点にある。『鬼滅の刃』が単なるダークファンタジーの勧善懲悪にとどまらないのは、猗窩座という凶悪な敵の精神的支柱に、純粋無垢な愛の物語を据えたからに他ならない。
集英社から刊行された原作単行本において、狛治の過去編は読者に強い衝撃を与えた。「強さ」のみを肯定し、弱者を嫌悪していた猗窩座の心理は、実は「弱かったせいで最愛の父と恋雪を守れなかった自分自身」への激しい憎悪の裏返しだった。恋雪の手を取り「ごめんなさい、約束を守れなかった」と泣き崩れる怪物の姿は、暴力の無意味さと、それでも消えない情愛の尊さを鮮烈に描き出している。