トイレの神様の歌詞はなぜ「ひどい」と叩かれた?賛否を分けた真実
この特異な長編作は、商業的なヒットを狙ったあざとい計算から生まれたものだったのか。制作の背景を辿ると、まったく正反対の真実が浮かび上がってくる。
当時、音楽活動に行き詰まりを感じていた植村花菜は、元ジュノ・リアクターやJUN SKY WALKER(S)のメンバーとして知られる音楽プロデューサー・寺岡呼人のもとを訪ねた。寺岡は彼女に対し、「これまで誰にも言えなかった恥ずかしいこと、隠しておきたい過去をノートにすべて書き出してほしい」と指示を出したという。
植村が持ち寄った膨大なメモには、亡き祖母との確執、後悔、そして自らの醜いエゴが生々しく記されていた。寺岡呼人はその人間臭い記録にこそ音楽の本質があると見抜き、ラジオ番組のフォーマットや商業的な尺の制限を完全に無視して曲に仕立てることを提案した。こうして生まれたのが、キングレコードからリリースされたミニアルバム『わたしのかけらたち』のリード曲「トイレの神様」だった。