池井戸潤映画の最高傑作はどれだ!歴代名作と最新情報を徹底解剖
重厚なテーマを娯楽作へと昇華させる最大の要因は、主演俳優陣の怪演にある。『七つの会議』で主人公・八角民夫を演じた野村萬斎は、狂言師ならではの独特な発声と身体表現で、昼行灯と切れ者の二面性を見事に表現した。組織の闇をあざ笑うかのような不敵な笑みは、観客の脳裏に焼き付いて離れない。
一方、『シャイロックの子供たち』で主演を務めた阿部サダヲの存在感も際立つ。表向きは飄々としたベテラン銀行員でありながら、裏ではしたたかに罠を仕掛ける西木雅博役を、絶妙なユーモアと哀哀たる人間味を交えて好演。組織に縛られながらも己の矜持を捨てないアウトローな主人公像は、池井戸作品の新たな地平を切り拓いた。