「一億総中流」はなぜ消滅した?二極化する新階層社会と資産防衛策
「月収は手取りで35万円ほどありますが、毎月の貯金はほぼゼロです。物価が上がり続け、子どもの教育費と住宅ローンを払うだけで精一杯。自分たちが『中流』だなんて、とても口が裂けても言えません」
都内の大手SIerに勤務する40代男性は、力なくそう語った。世帯年収は約800万円。一見すると恵まれた数字に見えるが、実質賃金の目減りと社会保険料の負担増、そして光熱費や食品価格の高騰が家計を容赦なく圧迫する。旅行を控え、外食を減らし、サブスクリプションを解約してもなお、将来への資産形成に手が回らない。彼のような「見えない貧困」に苦しむ中間層の姿こそが、現代の縮図だ。
その一方で、資産運用と不動産投資によって資産を雪だるま式に増やす上位10%の富裕層が存在する。彼らは円安と世界的なインフレを味方につけ、資産ポートフォリオをグローバルに最適化することで、賃金下落の打撃を完全に回避している。同じ東京の空の下で、日々の値上げに怯える世帯と、資産インフレの恩恵を享受する世帯が完全に分離しているのだ。中間層の空洞化は、単なる一時的な不況ではなく、構造的な階層固定化のフェーズに入ったことを意味している。