たなか ふみえ――染錦に息づく職人の魂と静かなる革新
2022年、たなか ふみえは再び戸栗美術館で作品展を開催した。2014年の初個展から8年。この間に彼女の技術は成熟し、作風にも深みが増していた。
来場者からは「使いたい器」という評価に加え、「眺めていたい器」という声が多く聞かれた。実用性と芸術性の両立。これは陶芸家にとって永遠の課題だが、彼女はそのバランスを見事に体現していた。
展示会では新作も発表された。従来の小鉢・小皿に加え、酒器やグラスといった新しいカテゴリーへの挑戦である。特に冷酒用のグラスは、透明感のあるガラス質の釉薬と染錦の組み合わせが斬新で、若い世代の注目を集めた。