パープル・ヘイズの圧倒的狂気!かっこいい名シーンと進化の真相に迫る
これほど強烈なインパクトと人気を誇りながら、なぜパープル・ヘイズは本編でたった1度しか本格的な戦闘を行わなかったのでしょうか。その理由は、物語の根底にあるフーゴの離脱理由の真相と荒木飛呂彦氏のストーリー構成に深く関わっています。
作中では、ボスの愛娘トリッシュの護衛任務の果てに、ブチャラティがボスを裏切る決断を下します。命を捨てる覚悟で小舟に乗る仲間たちに対し、フーゴだけは「理想だけでは生きていけない」と現実的な判断を下し、埠頭に残る道を選びました。
荒木飛呂彦氏が後のインタビューで明かしたところによると、当初の構想では「フーゴがボスのスパイとしてブチャラティたちを裏切り、かつての仲間同士で命を奪い合う展開」が予定されていました。しかし、執筆当時の荒木氏自身の心境(信頼や友情の喪失を描くことへの葛藤)からその展開は回避され、フーゴは「敵になることもなく、ただ立ち去る」という静かな離脱劇に変更された経緯があります。
もし味方として残り続けていれば、その凶悪すぎる能力ゆえにボス戦を含むあらゆる戦闘が「ウイルスを放てば即決着」になりかねないというバトルバランス上の理由もあったと考えられます。この孤独な離脱劇が、パープル・ヘイズという存在に唯一無二の哀愁とカリスマ性を与える結果となりました。