開高健の波乱万丈な生涯と名作|ベトナム従軍から名言の真相まで

今注目を集めている 開高健の波乱万丈な生涯と名作|ベトナム従軍から名言の真相までについて、主要な情報を分かりやすく掲載しています。

戦争の過酷な体験によって深く傷ついた魂を癒やすように、開高健がのめり込んでいったのが「釣り」と「世界放浪」でした。1970年代以降、世界各地の秘境へ足を運び、アマゾン川の巨大魚ピラルク、アラスカのキングサーモン、モンゴルの幻の大魚イトウ(タイメン)など、怪魚たちとの命懸けの格闘を重ねていきます。

その旅路を写真家・秋元啓秀の臨場感あふれるビジュアルとともに記録した釣行記『オーパ!』(1978年刊)は、空前の釣りブームと紀行文学ブームを巻き起こしました。「オーパ」とは、ブラジルの奥地で何かに驚いたときに叫ぶ感嘆詞です。

開高にとって釣りとは、単なるレジャーではありませんでした。魚を釣り上げても無闇に命を奪わず自然へ返すキャッチ・アンド・リリースの思想を日本にいち早く紹介し、自然の雄大さと人間の小ささを対比させながら、生きている実感を取り戻すための厳粛な儀式だったのです。

中村 さくら

中村 さくら

マネー&キャリアエディター

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。