突然の吐き気・下痢は要注意!ウイルス性胃腸炎の症状と早期回復の鉄則
激しい下痢や吐き気に襲われた際、「早くこの苦痛を止めたい」「明日の仕事のために何とかしたい」と、ドラッグストアで手に入る下痢止めや吐き気止めに頼ろうとする人が後を絶ちません。しかし、感染症の急性期における薬の選定には重大な落とし穴が存在します。
救急救命センターや消化器内科の臨床現場において、医師が最も警鐘を鳴らすのが「強力な止瀉薬(下痢止め)の自己判断服用」です。下痢は、腸管内に侵入した大量のウイルスや産生された毒素を生体が自動的に体外へ排出しようとする極めて重要な防御反応です。
ロペラミド塩酸塩などの腸管運動を強力に止めるウイルス性胃腸炎向けの市販薬を安易に使用すると、体内にウイルスや毒素が停滞し、腸管内で異常増殖して症状を長期化させたり、最悪の場合は中毒性巨大結腸症や敗血症などの重篤な病態を招くリスクがあります。
薬局やドラッグストアで市販薬を選ぶ、あるいは手持ちの常備薬を使用する場合は、以下の原則を厳守してください。
- 下痢止め(止瀉薬):原則として自己判断での使用は避ける。どうしても必要な場合は医師に相談する。
- 整腸薬(乳酸菌製剤・酪酸菌製剤):ビオフェルミンやミヤBMなどの整腸薬は、乱れた腸内細菌叢の回復を助けるため比較的安全に使用可能。
- 解熱鎮痛薬:高熱や頭痛を伴う場合、胃粘膜への負担が少なく脱水時の腎機能への影響が比較的小さいアセトアミノフェン製剤を選択する(ロキソプロフェン等の強いNSAIDsは胃腸障害を助長する恐れがあるため注意)。