名曲『天城越え』40周年の衝撃――なぜ時代を超えて狂おしいほどの情念が日本人の心を揺さぶり続けるのか?「石川さゆり」の金字塔を紐解く
『天城越え』を語る上で避けて通れないのが、あまりにも有名な「あなたを殺していいですか」というフレーズだ。一歩間違えれば物騒とも取れるこの言葉が、なぜこれほど美しく、切なく聴き手の胸に刺さるのか。それは、他の誰かに奪われるくらいなら自らの手で相手との時間を終わらせたいという、究極の独占欲と裏腹の純愛だからだ。吉岡治によるこの歌詞は、過剰な自我の露出ではなく、極限まで高められた愛の純度を表現している。