三角形の重心の公式と求め方|2対1の内分理由と五心を徹底解説
数学の教科書上では純粋な幾何学的交点として扱われる重心ですが、その実用的な原点は物理学における「質量中心(Center of Mass)」にあります。
定規とコンパスを用いた正確な作図手順
幾何学的な作図において、重心を決定する手順は極めてシンプルです。理論上は3本の中線が存在しますが、作図上は「任意の2本の中線」が交わる点を求めるだけで確定します。
- コンパスを用いて任意の2辺(例えば辺$AB$と辺$AC$)の垂直二等分線を作図し、それぞれの「中点」を決定する。
- 求めた各辺の中点と、その向かい合う頂点を直線(中線)で結ぶ。
- 2本の中線が交差した地点が求める重心$G$となる。
均質な板を支える物理的実験と現場の知見
厚さと密度が均一な板から任意の三角形を切り出した場合、その重心$G$に針の先や指先を当てると、板は傾くことなく完全に水平を保って静止します。力学において、各微小部分に働く重力の合力の作用点が幾何学的重心と厳密に一致するからです。
教育現場や物理実験の場において、「なぜ足して3で割るだけでバランスが取れるのか」という疑問が度々投げかけられます。物理学的には、各頂点に等しい質量$m$の質点が存在するとき、その系全体の重心座標は各座標に質量を掛けて全質量$3m$で割る計算(モーメントのつり合い)を行うため、自然と $\frac{x_1+x_2+x_3}{3}$ という算術平均に帰着します。