灘温泉水道筋店の閉店理由と現在|名湯の歴史と六甲道店の最新営業情報
神戸・灘のシンボル的存在だった灘温泉 水道筋店が暖簾を下ろしたのは、2026年5月31日のことでした。創業は昭和13年(1938年)にまで遡り、80年以上の長きにわたって阪神淡路大震災の苦難をも乗り越え、地域住民の憩いの場として親しまれてきました。突如発表された営業終了の知らせは、地元のみならず全国の温泉マニアに大きな衝撃を与えました。
閉店の直接的な引き金となったのは、長年の営業に伴う建物の著しい老朽化と配管・受変電設備などの維持困難です。天然温泉特有の成分による配管の腐食や、現代の耐震基準への適合、さらにはボイラーをはじめとする心臓部設備の抜本的な改修には莫大な費用がかかる状況でした。経営陣による熟慮の末、「安全で快適な公衆浴場としての営業をこれ以上維持することは難しい」との苦渋の決断が下されたのです。
最終営業日には、開店前から名残を惜しむ常連客やファンが詰めかけ、建物の前には長蛇の列ができました。神戸の銭湯文化を象徴する名店がまたひとつ姿を消した瞬間であり、多くの人々が感謝の言葉とともにその別れを惜しみました。