京くみひも再興の真相|帯締めから最新テック小物へ進化する伝統工芸
京くみひもを特徴づけるのは、3,500種類以上とも言われる膨大な組み目のバリエーションだ。それを可能にしているのが、木製の伝統的な組み台である。最もポピュラーな「丸台(まるだい)」をはじめ、「角台(かくだい)」「高台(たかだい)」「綾竹台(あやたけだい)」など、製作する紐の形状や厚み、密度によって使い分けられる。
一般の体験教室でも広く使われる「丸台」を用いた製作プロセスは、見た目の優美さとは裏腹に、極めて精密な物理計算と身体感覚に基づいている。一般的な京くみひも 丸台 作り方の流れは以下の通りだ。
まず、生糸を精錬して染め上げた後、規定の本数と長さに束ねる「経巻(へだまき)」を行う。丸台の中央にある穴(鏡)から糸を下ろし、糸の端には木製の重り玉(おもりだま)を結びつける。鏡の下部には全体のバランスを取る中心の重りを吊るす。糸にかかる張力(テンション)と重りの重量比が1グラムでも狂うと、組み目の美しさは損なわれ、紐がねじれてしまう。職人は両手をリズミカルに交差させ、時計回り・反時計回りに重り玉を打ち替えていく。この「玉を落とす手加減」の均一さこそが、機械には真似のできない極上の風合いを生む。