クローズZero山田孝之が放つ伝説の凄み!芹沢多摩雄の魅力と裏側
本作の熱狂を語る上で欠かせないのが、キャスト陣の裏側にあった生々しいドラマです。実は、滝谷源治役を務めた小栗旬が映画化にあたり、プロデューサーの山本又一朗氏や三池監督に対して「山田孝之が芹沢を演じてくれないなら、自分はこの映画をやらない」と直談判したという有名なエピソードがあります。
当時、山田孝之の年齢は撮影時で23歳(1983年10月生まれ)、小栗旬は24歳(1982年12月生まれ)でした。同年代の実力派として互いを強烈に意識し合っていた二人が、逃げ場のないリングとして選んだのが鈴蘭高校のグラウンドでした。
クライマックスの雨中の死闘は、夜間の撮影で気温が極限まで下がる中、数日間にわたって敢行されました。泥水を浴び、体温を奪われながらも、二人はスタントをほぼ使わずに本気で殴り合いを演じました。当時の特番インタビューやメイキング映像で山田孝之は「旬くんが本気でぶつかってくるから、こちらも一切手を抜くわけにはいかなかった」と述懐しています。
さらに、芹沢多摩雄のトレードマークである「サイドを刈り上げ、トップの長髪を無造作に後ろで結んだワイルドな髪型」も、山田孝之自身がキャラクターの粗野さと色気を出すためにアイデアを出して作り上げたスタイルでした。ビジュアルからアクションの細部に至るまで、当時20代前半の若き俳優たちが放った覚悟とエネルギーが、奇跡的なリアリティを生み出したのです。