南青山レクサスカフェ閉店の真相と跡地の現在|10年の足跡を追う
南青山の地において、この場所が単なる企業アンテナショップの枠組みを遥かに超えていた理由は、世界的インテリアデザイナーである片山正通氏(Wonderwall)が空間デザインを手掛けた点にあります。片山正通 ワンダーウォール レクサスの協業は、商業施設デザインにおける金字塔として今なお語り継がれています。
ファサードを覆うのは、レクサスの象徴であるスピンドルグリルをモチーフにした繊細な竹製の木組みスクリーン。一歩足を踏み入れれば、1階にはノルウェー発の気鋭カフェ「フグレン(FUGLEN)」とコラボレーションした上質なコーヒースタンドと、コンセプトカーやライフスタイル展示を行うガレージ空間が広がっていました。2階へと続く階段の壁面には、実際のレクサス車のパーツを白一色に塗装して敷き詰めたインスタレーションが施され、メカニカルな部品を洗練された現代アートへと昇華させていました。
2階のライブラリーラウンジでは、厳選された書籍と職人技が光るプロダクト群「CRAFTED FOR LEXUS」が並び、訪れる者に車を売る気配を一切見せないレクサス ブランド体験スペース 南青山ならではの贅沢な余白を提供していました。ブランドの哲学を言葉ではなく、素材の手触りや陰影の美しさで直感させる建築的アプローチは、世界の空間デザインシーンに多大なインスピレーションを与え続けました。