ぬいぐるみの糸が消える!プロ直伝「コの字縫い」失敗ゼロの裏ワザ
コの字縫いで最も読者を悩ませるのが、「縫い始めの玉結び」と「縫い終わりの玉止め」が布の表面に残って目立ってしまう問題です。プロのぬいぐるみ修復現場では、結び目を布地の深部に吸い込ませる「インビジブル・シンク技法」が標準的に用いられています。
縫い始めにおいて、布の隙間から針を入れるのが難しい構造の場合は、補修箇所から1〜2cm離れた布の表面から針を刺し入れ、目的の折り山へ内部経由で針先を誘導します。糸を静かに引いていくと、結び目が布目を押し広げて内部の綿の中に「プチッ」という微小な感触とともに引き込まれます。布目に引っかかった玉結びが抜けなくなるため、表面には一切の結び目が残りません。
より難易度が高い縫い終わりの玉止めは、以下の手順で完全に隠滅させます。
1. 縫い終わりのキワで、折り山の布をコンマ数ミリだけすくい、できる限り布地の根本に近い位置で小さく強固な玉止めを作ります。
2. 針先を、その玉止めが出ている「まさにその同じ針穴(または直近の折り山の隙間)」に刺し戻します。
3. そのまま布の内部の綿の中をくぐらせ、縫い終わり位置から2〜3cmほど離れた適当な場所へ針を貫通させて外へ出します。
4. 針を引き抜いたあと、糸をやや強めにクイッと引っ張ります。このテンションによって、表面にあった玉止めが折り山の隙間から布の内部へと引きずり込まれます。
5. 糸を軽く引っ張って布が少しへこんだ状態を保ちながら、布のキワスレスレの位置にハサミを入れて糸をカットします。テンションを緩めると、切断面が布の内部へ自然に戻り、糸端も玉止めも完全に視界から消え去ります。