市川猿翁の波瀾万丈な生涯|確執と和解、スーパー歌舞伎の真実

市川猿翁の波瀾万丈な生涯|確執と和解、スーパー歌舞伎の真実の注目ポイントを詳しく解説してご紹介します。

市川猿翁という巨星を語る上で欠かせないのが、元妻・浜木綿子と、生涯の伴侶となった日本舞踊家・女優の藤間紫という二人の傑出した女性の存在です。

浜木綿子は宝塚歌劇団の雪組トップ娘役として一時代を築き、退団後もドラマや舞台で第一線を走り続けた名女優です。猿翁との結婚生活は短期間で終わりを告げましたが、離婚後はシングルマザーとして香川照之を東大現役合格へと導き、決して息子の前で父親の悪口を言わなかったという凛とした生き様は、今なお多くの賞賛を集めています。

一方、猿翁が全てを捨てて駆け落ち同然で結ばれた藤間紫は、猿翁より16歳年上の大人の女性でした。当時の藤間紫は、猿翁の舞踊の師匠であった二世藤間勘十郎の妻であり、二人の関係は昭和芸能界を揺るがす大スキャンダルとなりました。しかし、藤間紫は単なる愛人にとどまらず、後ろ盾を失っていた猿翁のプロデューサー兼アドバイザーとして、劇団「二十一世紀歌舞伎組」の立ち上げやスーパー歌舞伎の企画推進を舞台裏から支え抜きました。

藤間紫の前夫との正式離婚を経て、二人が法的な婚姻届を提出したのは2000年、猿翁が60歳、藤間紫が76歳の時でした。30年以上に及ぶ事実婚の末に選んだ入籍は、二人の絆の異例の深さを物語っています。2009年に藤間紫が85歳で世を去った際、猿翁は「私の肉体の一部をもぎ取られたようだ」と深い哀惜の言葉を残しました。

吉田 誠

吉田 誠

インテリア&ライフスタイルコーディネーター

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