昭和・平成の狂騒と令和の眼差し:『保毛尾田保毛男』が日本メディア史に残した不可逆の傷痕と変化
転機となったのは2017年秋のことだった。民放キー局の開局記念特番において、長年封印されていた名物キャラクターが一夜限りの復活を果たした。だが、放送直後からSNSや人権団体を中心に、激しい批判の声が巻き起こる。かつてと同じ演出手法で描かれた性的マイノリティの描かれ方に対して、視聴者が抱いた違和感や不快感は、昭和・平成初期とは比較にならないほど巨大な波紋へと広がっていった。
抗議を受けた番組側および局のトップは最終的に謝罪を余儀なくされた。この出来事は、かつての「大爆笑」が時代の変化によって「差別の助長」へと反転したことを、日本のテレビ業界全体に見せつける痛烈な事件となったのである。