モップみたいな犬の正体とは?ドレッド毛の理由と飼育実態を徹底解剖
ジャパンケネルクラブ(JKC)の犬種別犬籍登録データを確認すると、コモンドールやプーリーの登録頭数は例年わずか数頭、年によっては登録ゼロという記録が続いています。なぜこれほどユニークで魅力的な犬種が、ペット大国である日本で普及しないのでしょうか。
最大の理由は、「日本の高温多湿なモンスーン気候」とコード状被毛の相性が最悪である点です。原産地であるハンガリーの平原やアルプスの山岳地帯は、夏でも空気が乾燥しています。しかし、梅雨から夏季にかけて湿度80%を超える日本の夏は、密度の高いドレッド毛の内部に湿気を溜め込み、熱中症や皮膚真菌症のリスクを劇的に跳ね上げます。
日本国内で彼らの健康を維持して暮らすためには、「5月から10月まで24時間体制でエアコンと除湿機を稼働させ続ける室温管理」が最低条件となります。電気代の負担はもちろん、散歩中の雨濡れや朝露すら厳重に防がねばならず、泥汚れがついた毛束を1本ずつ手洗いして水分を拭き取る根気が求められます。
また、日本国内には恒常的に繁殖を行っている認定ブリーダーがほぼ存在しないため、入手経路は欧州現地のシリアスブリーダーからの直接輸入が主流となります。生体価格に加えて国際航空運賃、輸出入検疫費用、各種手続き手数料を含めると、初期費用だけで100万円近い予算を確保しなければならない点も大きなハードルとなっています。