学生結婚で内定取り消しは違法?判例から読み解く企業への正しい報告法
「学生結婚を会社に報告したら内定が取り消される」という噂は、法的な根拠を持たない都市伝説にすぎません。新卒採用において、企業から「採用内定通知」を受け取り、学生が「内定承諾書」を提出した段階で、両者の間には始期付解約権留保付労働契約(しきつきかいやくけんりゅうほつきろうどうけいやく)という正式な労働契約が成立します。つまり、入社式を迎えていなくとも、内定者は法律上すでに「従業員」としての身分的保護を受けているのです。
一度成立した労働契約を企業側から一方的に破棄する行為は、法的には「解雇」と同視されます。ここで適用されるのが、労働契約法第16条が定める解雇権濫用法理です。解雇権の行使は、「客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合」には権利の濫用として無効になります。
私生活における婚姻の自由は憲法第24条で保障された基本的人権であり、結婚した事実そのものが業務の遂行に支障をきたすことは通常考えられません。したがって、学生結婚 内定取り消し 違法の構図は極めて明白であり、企業が婚姻を理由に内定を取り消す行為は、裁判を起こせば十中八九、企業の敗訴に終わります。
また、根本的な法概念として整理しておくべきが、内定辞退と内定取消の違いです。労働者側からの解約の申し入れである「内定辞退」は、民法第627条第1項の規定に基づき、原則として2週間前までに告知すれば自由に行えます。これに対して企業側からの契約解除である「内定取消」は、厳格な解雇規制に縛られており、企業が自由に白紙撤回することは一切許されていません。