タイマーを捨てたZ世代、脳科学が解き明かす「一心不乱」の真価——倍速消費の果てに日本人が辿り着いた新たな精神境地
渋谷や下北沢の街角で、これまでにない光景が広がっている。スマートフォンの持ち込みが完全に禁止された「無心カフェ」や、デジタル機器から完全に隔離されたワークスペースが連日満席なのだ。短尺動画をスクロールし続ける日々に虚無感を覚えたZ世代を中心に、あえて情報の遮断を選ぶムーブメントが加速している。
「動画を倍速で見ているとき、自分の頭は動いていない感覚があった」。そう語る都内の大学生(22)は、週に一度、スマートウォッチすら外し、アナログの読書や手書きのノートに向き合う時間を作っているという。刺激の過多に晒され続けた脳をリセットし、自らの内面と対話するための静寂。それが今、若者層にとって最も刺激的で新鮮な体験として受け入れられている。