夜中に足がつる原因と予防する食べ物|マグネシウム・カリウム徹底解説
医学的に「有痛性筋痙攣(ゆうつうせいきんけいれん)」と呼ばれるこむら返りは、ふくらはぎの腓腹筋(ひふくきん)が異常に収縮し、自力で弛緩できなくなった状態を指します。通常、筋肉には縮みすぎを防ぐ「筋紡錘(きんぼうすい)」と、伸びすぎを防いで筋肉を弛緩させる「腱紡錘(けんぼうすい)」という2つのセンサーが存在します。しかし、就寝中は腱紡錘のセンサー機能が低下し、無防備な状態になります。
そこに追い打ちをかけるのが、体内の電解質異常(ミネラルバランスの崩れ)です。人間の筋肉は、カルシウムイオンが筋細胞内に入り込むことで収縮し、マグネシウムイオンがそれを抑制して弛緩させるという緻密なシーソー関係で制御されています。体内のマグネシウムが不足すると、カルシウムの流入を食い止めるブレーキが利かなくなり、神経が過剰に興奮して筋肉が持続的な痙攣を起こす仕組みです。
就寝中に発症が集中する理由は、睡眠中にコップ1杯分(約200ml)以上の汗をかくことで水分と電解質が失われ、局所的な脱水状態に陥るためです。さらに、寝室のエアコンによる冷えや掛け布団の重みで足首が伸ばされる姿勢(底屈位)が固定化されると、血流が滞って筋肉への酸素供給が遮断され、痙攣のリスクが一気に跳ね上がります。
特に高齢者においては、加齢に伴う筋肉量の減少や動脈硬化による末梢血流の悪化、喉の渇きを感じにくくなることによる潜在的脱水が重なり、慢性化しやすい傾向があります。また、妊娠中の女性は胎児へのミネラル供給が優先されるうえ、大きくなった子宮が下肢の血管や神経を圧迫するため、妊娠中期から後期にかけてこむら返りに悩まされる頻度が格段に高まります。