【2026年現地ルポ】牙をむく「欧州の心臓」:ドイツ熱波でライン川干上がりの危機、エアコンなき先進国の限界と日本への警告
かつてドイツの夏といえば、30度を超える日が数日あれば珍しいとされる程度だった。しかし、2026年の現実は容赦ない。気象庁(DWD)のデータによると、7月に入ってから国内の複数都市で40度超えが常態化している。特に南西部のバーデン=ヴュルテンベルク州では、熱風が盆地に滞留し、夜間でも気温が30度を下回らない「熱帯夜」が続いている。
「もはや外に出ることは自殺行為だ」と、ミュンヘン在住の看護師、アンナ・シュミットさん(42)は肩を落とす。病院の救急外来は、熱中症や脱水症状を訴える高齢者で溢れかえっている。医療崩壊の足音が、静かに、しかし確実に近づいている。