浅間山を一望する大草原へ!映画ロケ地の記憶と濃厚ソフトの旅
この広大な牧場は、日本文化史においても極めて重要な足跡を残している。1951年に公開された日本初の長編総天然色(カラー)映画『カルメン故郷に帰る』。そのメインロケ地こそが、ここ浅間牧場だ。名匠・木下惠介監督は、国産カラーフィルムの鮮やかさを引き出すため、この抜けるような青空と圧倒的な緑の稜線を舞台に選んだ。
大女優・高峰秀子演じるストリッパーのリリィ・カルメンが、派手な衣装で牛の群れの中を闊歩するシーンは、戦後日本の明るい夜明けを象徴する名場面として今も語り継がれている。現在、牧場の展望スペースには記念碑が静かに佇み、当時の撮影風景を偲ばせる。映画ファンならずとも、70年以上の歳月を超えてなお色褪せない風景の普遍性に心を打たれるはずだ。