【2026年鉄道最前線】「ロングかクロスか」論争に異変 通勤電車でクロスシート急増の裏に隠された鉄道会社の冷徹な計算と乗客の本音
興味深いのは、地域による車内文化の温度差だ。古くからJR西日本の新快速や私鉄各社が転換クロスシートを積極的に採用してきた関西圏では、クロスシートに乗る所作や乗客同士の間合いの取り方が長年の経験として身体化されている。混雑が始まれば自然とシート向きを変えたり、譲り合ったりする空気感が存在する。
対照的に、長らくロングシート主体の「詰め込み輸送」に最適化されてきた首都圏では、クロスシートの普及に伴う混乱が散見される。ドア付近に固まる乗客の動きや、空席があるにもかかわらず通路に立ち尽くす行動など、利用者の習熟度には依然として地域差が大きい。都市ごとの歴史的背景が、現在の乗車マナーや快適性の受け止め方に色濃く反映されている。