いしいひさいち『Roca』の真実!ファドにかけた奇跡と最新展開
物語の核をなすのは、魂を揺さぶるポルトガルの哀愁歌ファドだ。主人公の吉川ロカは、突出した歌唱センスを持ちながらも、どこか世間に馴染めない孤独な少女として描かれる。彼女の才能をいち早く見抜き、その声を世に出すために自らの青春を捧げて伴走するのが、無二の親友である吉川柴子だ。
努力と天才、光と影。二人の少女の複雑で繊細な関係性は、単なる「友情物語」の範疇に収まらない。哀切なファドの旋律が流れるなか、すれ違いや葛藤を抱えながらも夢へと向かう姿は、読む者の胸を強く締めつける。言葉数が少なく削ぎ落とされたコマ割りだからこそ、行間に漂う感情の波がダイレクトに響いてくる。