名将・中井哲之が語る広陵高校野球部の育成術と甲子園の舞台裏
広陵高等学校の歴史を語る上で欠かせないのが、超一級品のバッテリー育成実績だ。記憶に新しい2007年夏の甲子園、準優勝を果たしたエース・野村祐輔と女房役の小林誠司。二人は後にプロの世界でも大躍進を遂げたが、彼らの原点もまた中井イズムにある。
「野村には投手の矜持を、小林には受ける覚悟を徹底的に叩き込んだ」。当時のエピソードを振り返る監督の表情はやわらかい。投手がマウンドで孤独を感じた時、捕手がどのような言葉と間合いで寄り添うべきか。サインの出し方一つにも、相手の心理を読む「間」の美学が存在する。徹底した人間観察が生み出す強靭な絆は、プロの世界へ羽ばたいた後も二人の大きな財産となっている。