70歳以上夫死亡の遺族年金いくら?併給調整の落とし穴と手続き

70歳以上夫死亡の遺族年金いくら?併給調整の落とし穴と手続きの背景について、最新情報を詳しくお届けします。

受給者が最も混乱し、窓口でトラブルになりやすいのが老齢厚生年金との併給調整です。公的年金には「1人1年金の原則」があり、65歳以上の配偶者が遺族厚生年金を受け取る場合、2007年(平成19年)4月以降の改正ルールである「先充当(さきじゅうとう)方式」が厳格に適用されます。

具体的には、妻自身の老齢厚生年金がまず優先して全額支給されます。その上で、夫の遺族厚生年金の額(夫の厚生年金報酬比例部分の4分の3)が妻自身の老齢厚生年金を上回っている場合に限り、その妻の年金と遺族年金の差額支給が行われます。妻自身の老齢厚生年金の方が高い場合、遺族厚生年金は支給停止(受給額0円)となります。

これが「遺族年金が減額された」「夫の分がもらえなかった」と感じる遺族年金減額の理由の正体です。権利自体が消滅したわけではなく、自己の厚生年金受給分が優先されている結果にすぎません。

ただし、税法上の大きな利点として、本来の老齢年金(老齢基礎年金・老齢厚生年金)が課税対象であるのに対し、遺族年金として支給される部分については遺族年金非課税の扱いとなります。額面上の総受給額は減ったように見えても、課税所得が抑えられることで住民税非課税世帯に該当し、介護保険料や国民健康保険料、高額療養費の自己負担限度額が軽減される実質的なメリットが存在します。

山本 拓海

山本 拓海

ヘルス&ウェルネスアドバイザー

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。