建築美と美肌の湯に溺れる——高松「仏生山温泉」が2026年の今、感度の高い旅人を惹きつけてやまない理由
建築家・城郷慶氏の手によって2005年に誕生したこの空間は、20年以上の歳月を経てもなお色褪せるどころか、年輪を重ねた木造美とコンクリートの経年変化によって独特の深みを増している。過剰な装飾を削ぎ落としたミニマリズムの中に、光と影の陰影が美しく計算され尽くす。
泉質は、地下約1000メートルから湧き出るナトリウム炭酸水素塩・塩化物泉。いわゆる「重曹泉」と呼ばれる美肌の湯だ。浴槽は温度ごとにグラデーションのように仕切られており、33度前後のぬる湯と、じんわりと温まる適温の湯を行き来する「温冷交互浴」が心地よい。露天風呂の頭上に広がるのは、讃岐の広い空だけ。視界を遮る電線も看板もない。ただ湯面が揺らぎ、風が肌をなでていく。