Iclで失敗したと感じる真相|後悔の理由とレンズ取り出しの現実を解剖
ICL手術の構造的特徴として知っておくべきなのが、ホールICL(中心に房水循環用の極小穴が開いたレンズ)特有の光学現象です。暗い場所で瞳孔が散大し、レンズの光学径(有効領域)を超えて光が穴のエッジ部分に当たると、光の輪が見えるICL特有のハロー・グレア症状が生じます。
日本眼科学会のガイドラインや国内外の臨床報告によると、術後早期におけるハロー・グレアの自覚率はほぼ100%に近いものの、大半の症例では術後3〜6か月程度で脳の順応(神経適応:Neuroadaptation)が進み、気にならなくなるとされています。しかし、元々の暗所瞳孔径が大きい患者(7.0mm以上など)や、神経質な気質で視覚刺激に過敏な患者の場合、長期にわたって光の環が視界に残り続け、強いストレス要因となります。
また、ICL術後の視力低下の原因についても正しく理解する必要があります。ICLレンズ自体が経年劣化で度数変化を起こすことは基本的にありません。術後に「見えにくくなった」と感じる主な原因は、加齢に伴う自身の水晶体の調節力低下(初期の老眼)や、近視自体の自然進行、あるいは軽度の乱視軸の回旋です。これらを「手術が失敗して視力が落ちた」と誤認してしまうケースが少なくありません。