ハリウッドの星を獲得する条件とは?費用7万ドルと歴代日本人の真実
2,800個以上並ぶ星の中で、日本にルーツを持つ人物・キャラクターの殿堂入りは極めて限られています。現在までに公式認定されたのはわずか4件。この事実は、言葉の壁や市場構造の違いがいかに高かったかを物語っています。
1. 早川雪洲(Sessue Hayakawa)/1960年殿堂入り(映画部門)
無声映画(サイレント映画)全盛期の1910年代、甘いマスクと研ぎ澄まされた演技力で白人女性ファンを熱狂させ、ハリウッド最初の国際的日本人大スターとなった伝説の俳優です。白人至上主義が根強かった当時のアメリカで日本人主役として巨額のギャランティを稼ぎ出し、のちに『戦場にかける橋』(1957年)でアカデミー助演男優賞にノミネートされました。1960年の制度創設初期に最初の星が授与されています。
2. マコ岩松(Mako Iwamatsu)/1994年殿堂入り(映画部門)
1966年の名作『砲艦サンパブロ』でアカデミー助演男優賞にノミネートされた実力派俳優。アジア系俳優がステレオタイプな脇役に押し込められていた現実に抗い、アジア系演劇団体「イースト・ウェスト・プレイヤーズ」を共同設立しました。ハリウッドにおけるマイノリティ表現者の地位向上に生涯を捧げた功労が高く評価され、1994年に星が刻まれました。
3. ゴジラ(Godzilla)/2004年殿堂入り(映画部門・キャラクター)
実在の人間以外にも星が授与されるのがハリウッドのユニークな伝統です。ミッキーマウスや白雪姫、ドナルドダックらと並び、生誕50周年を迎えた2004年に日本発祥の怪獣「ゴジラ」が殿堂入りを果たしました。敷設式典には日本から着ぐるみのゴジラが登壇し、映画プロデューサー陣とともに大勢の現地ファンやメディアの歓声に応えました。日本発のポップカルチャーが世界に与えた影響の大きさを証明する記念碑となっています。
4. 三船敏郎(Toshiro Mifune)/2016年殿堂入り(映画部門)
黒澤明監督作品『羅生門』『七人の侍』『用心棒』などで世界を震撼させ、「世界のミフネ」と称された不世出の名優です。没後19年を経て、海外の熱心な映画ファンや支援者たちの推薦運動が実を結び、2016年に没後表彰として星が敷設されました。式典には孫の三船力也氏が出席し、スピルバーグをはじめとする世界の巨匠たちに多大なインスピレーションを与え続けた功績が改めて称賛されました。
黒澤明や宮崎駿といった世界的映画監督、あるいは渡辺謙や真田広之のように国際舞台で主演・プロデュースを務める日本人表現者がなぜまだ星を持たないのかという疑問もしばしば寄せられます。これは才能の優劣ではなく、前述した「推薦団体の設立と費用負担」「本人の明確な承諾」「式典へのスケジュール調整」という手続き上の要件が整うのを待っている段階に過ぎません。