エヴァのリリンとは?人類が第18使徒と呼ばれる理由と神話の真相
エヴァンゲリオンの用語体系は、ユダヤ教神秘主義(カバラ)や聖書外典・偽典、メソポタミア神話の混交によって綿密に構築されています。「リリン」という名詞も単なる創作造語ではなく、明確な宗教的元ネタを持っています。
ヘブライ伝承や中世ユダヤ文学の『ベン・シラの風刺劇』などによると、リリス(Lilith)はアダムの最初の妻として土から創られた女性でした。しかし、アダムとの上下関係を巡って対立し、エデンの園を逃亡して紅海のほとりで悪魔たちと交わり、無数の悪霊を生み落としました。このリリスが生み出した子悪魔たちの総称こそが「リリン(Lilin / Lilim)」です。
伝承におけるリリンは、夜間に人間を誘惑する夢魔(サキュバスやインキュバス)や、乳児を害する夜の妖怪として恐れられました。庵野秀明監督をはじめとする制作陣は、この神話的モチーフを極めて批評的に反転させています。「神に背き、楽園を追放された母(リリス)から生まれた魔の子ら」というダークな原典伝承を、「神の如き巨体を持たず、脆い自我を抱えて傷つけ合う現代人」のメタファーとして作中に組み込んだのです。