勝率9割6分!雷電為右衛門が横綱になれなかった決定的な理由と真相
雷電がこれほどの無敵を誇った最大の要因は、当時の日本人離れした体格と天賦の筋力にありました。江戸時代の成人男性の平均身長が約157cm前後だった時代に、雷電為右衛門の身長と体重は身長197cm(六尺五寸)、体重169kg(四十五貫)に達していたと伝えられています。現代の幕内力士と比較しても大型の部類に入る巨躯が、江戸後期の土俵に突如現れた衝撃は計り知れません。
そのパワーを物語る雷電為右衛門の怪力伝説は枚挙にいとまがありません。少年の頃に庭の巨大な庭石を一人で軽々と動かした逸話や、暴れ馬の腹を片手で押さえて静止させた話、さらには浅間山の噴火で飛んできた大岩を軽々と受け止めたという伝説まで残されています。
土俵上でもその怪力は猛威を振るいすぎました。あまりに強烈な張り手で相手力士の首を痛めさせ、かんぬき(閂)で挟み込んだ相手の腕をへし折ってしまう事故が多発したため、相撲会所や周囲への配慮から「張り手・突っ張り・かんぬき・閂・抱え上げ」などを自粛せざるを得なくなりました。これが今日まで語り継がれる雷電為右衛門の禁じ手の真相であり、技を制限されてなお勝ち続けた点に雷電の真の恐ろしさがあります。