継国巌勝はなぜ黒死牟へ堕ちたのか?縁壱への執着と悲しき最期の真相
鬼殺隊時代、巌勝は縁壱から呼吸法の手ほどきを受けましたが、弟が使う万能の「日の呼吸」を完全に習得することはできませんでした。日の呼吸の圧倒的な威力と身体負荷に肉体が適応できず、自らの資質に合わせて派生させた技術こそが「月の呼吸」です。
月の呼吸は、刀身から無数の三日月型の細かい刃を不規則にばら撒く、広範囲かつ変幻自在の斬撃を特徴とします。間合いの把握が極めて難しく、防御すら困難を極める恐るべき剣技ですが、これは皮肉にも「日の呼吸を扱えなかった妥協の産物」でもありました。
鬼となった巌勝は、自らの血肉から生成した禍々しい異形の刀を用い、数百年にわたって月の呼吸を進化させ続けました。刀身を巨大化させ、無数の枝刃を生やすなど、人間の肉体では不可能な領域まで技を昇華させたものの、その根底にあったのは「太陽(弟)になれなかった月(兄)」という消えないコンプレックスの具現化にほかなりませんでした。