放牧とは?酪農の現場革新と競馬界を制する「外厩」の真実を徹底解剖
日本の酪農・畜産現場は長年、限られた敷地で効率的に牛を管理する「舎飼い(しゃがい)」が主流を占めてきました。牛舎の中で配合飼料や乾草を与え、運動スペースを制限して飼育する方法です。しかし、飼料価格の高騰やアニマルウェルフェア(動物福祉)への関心の高まりを背景に、改めて放牧の価値が再評価されています。
放牧の手法には、牧区を細かく区切って数日ごとに牛を移動させ草勢を維持する「輪換放牧(りんかんほうぼく)」や、中山間地域の傾斜地を活用して里山保全と両立させる「山地放牧(やまちほうぼく)」などがあり、それぞれ管理技術が確立されています。
農林水産関連の調査データによると、放牧を取り入れた酪農家では、牛の足腰トラブル(蹄病)が舎飼いと比較して約40〜60%減少し、受胎率の向上や供用年数(牛が乳を出し続けられる寿命)の延伸が報告されています。自然の草を食むことで乳中の不飽和脂肪酸(オメガ3脂肪酸)が増加するなど、生産物の付加価値向上にも直結しています。