狭山事件・石川一雄氏の生い立ちと壮絶な半生|冤罪疑惑の真相と再審への道
1963年5月、事件発生により世間の怒りと焦りが警察へと集中する中、捜査の目は真っ先に近隣の被差別部落へと向けられた。確固たる物的証拠もないまま、ただ「怪しい」という偏見だけで逮捕されたのが石川一雄だった。密室で連日繰り広げられた取り調べにおいて、取調官は警察の描いたシナリオを彼に強要した。
「認めれば数年で出られる」という嘘の甘言と恐喝。文字の読み書きがおぼつかない青年は、差し出された調書の内容を理解できぬまま、指示されるがままに指印を押した。冤罪・刑事司法の歴史において、最も暗い自白強要のドラマがここにあった。