幕府の極秘記録が明かすコロリの真実!絶望の江戸を救った蘭医学
歴史上最も凄惨な被害をもたらしたとされるのが安政のコロリ大流行だ。1858年(安政5年)の夏から秋にかけて、江戸の賑わいは消え失せ、魚河岸や盛り場からは一切の人影が消えた。激しい嘔吐と下痢に襲われ、皮膚が急速に乾燥して青紫色に変色していく患者たちの姿は、生き地獄そのものだった。
「コロリ」という言葉は、倒れてから死に至るまでの速さを表す擬音語「ころり」に由来すると同時に、「狐」「狼」「狸」という3匹の獣が合体した恐ろしい魔物=虎列刺(コロリ)という語託でも語られた。当時は病因の解明など不可能に近く、都市全体が底知れぬ恐怖に飲み込まれていた。