追いつめられる身体:運動強迫の罠と心身をむしばむ危険なサイン
この病的なループから抜け出すための効果的な治療アプローチとして確立しているのが認知行動療法(CBT)である。認知療法の創始者である精神科医アーロン・ベックが提唱した理論は、個人の根底にある「不適応な自動思考」を解きほぐす手助けとなる。
運動強迫に悩む人は、「運動しない自分には価値がない」「常に完璧な体型を維持しなければ見捨てられる」といった極端な全か無かの思考に囚われやすい。認知行動療法では、カウンセラーとともにこうした思考の偏りに気づき、現実的でしなやかな考え方へと再構成していく。単に運動を禁止するのではなく、「休養もトレーニングの一部である」という新たな認知を形成することが回復の鍵となる。