大坂なおみが嫌われる理由とは?会見拒否やラケット破壊の真相と現在
批判の底流に常に横たわっているもう一つのテーマが、大坂なおみの国籍問題とアイデンティティに対する違和感です。ハイチ系アメリカ人の父と日本人の母を持ち、3歳からアメリカで育った彼女は、日米二重国籍の選択期限を迎えた2019年に日本国籍を選択しました。
日本代表としてオリンピックに出場し、日の丸を背負って戦う決断をしたことは歓迎された一方で、一部のネットユーザーからは「日本語が流暢に話せないのに、スポンサー契約や税制上のメリットのために日本を選んだのではないか」という邪推が根強く囁かれました。インタビューでの英語中心の受け答えに対し、「なぜ日本語を話さないのか」という不満が繰り返し噴出したのもその表れです。
日本社会には、伝統的にアスリートに対して「滅私奉公」「謙虚」「感情を表に出さず礼儀を尽くす」というストイシズムを求める傾向があります。高校野球などに代表されるように、悔しさを押し殺して相手を称え、審判や観客に深々と一礼する姿こそが「美しいアスリート」と見なされがちです。
対照的に、アメリカのスポーツ文化で育った大坂選手は、感情をダイレクトに表現し、理不尽と感じたことには声を上げ、社会的正義のためにプラットフォームを利用することを当然の権利と考えていました。この文化的な文脈の不一致こそが、多くの日本人が彼女の言動に「傲慢」「身勝手」という違和感を抱いてしまった本質的な原因といえます。