白壁と金魚ちょうちん揺れる港町!柳井市で出会う新たな熱気と旅情
柳井は文芸とメディアの記憶が深く交差する舞台でもある。明治の文豪・国木田独歩は青年期をこの地で過ごし、多感な時期に瀬戸内の自然や人々の営みを深く見つめた。独歩が起居した旧宅は今も静かに佇み、彼の手記『欺かざるの記』や短編小説に投影された柳井の空気感を今に伝えている。独歩が歩いたであろう小路を歩くと、彼が抱いた苦悩や叙情詩のような風景が眼前に立ち上がる。
さらに、昭和のテレビ史を語る上で欠かせないのが、NHKの連続テレビ小説 鳩子の海だ。柳井を舞台に描かれた鳩子のひたむきな生き様は、日本中のお茶の間を釘付けにし、この町の名を一躍全国区へと押し上げた。今なおロケ地巡りや作品の足跡を求めて訪れる人々も多く、映像が刻んだ文化的な記憶は半世紀を経た今も色褪せていない。